エネルギー転換における新たな資源リスク

<研究目的>

パリ協定の目標達成に向けて、批准国各国は自国の温室効果ガスの排出削減目標である約束草案(INDC)の実現という同じ方向にむけて、具体的なエネルギー政策を施行していくことになる。それは、世界的な脱化石燃料を進める一方、再生可能エネルギー(以下 再エネ)と省エネ高効率機器などのクリーンエネルギー分野の大幅な普及を各国が目指す「エネルギー転換」というかつてない変化に向けて世界の動きが加速することを意味する。

「エネルギー転換」の動きは従来のエネルギー需給構造を覆し、地政学的なパワーバランスにも影響を及ぼすものである。かつて、18世紀の産業革命では、石炭をエネルギー源とする蒸気機関が社会の生産性を飛躍的に向上させ、20世紀中頃には石炭よりも利便性の高い石油が主たるエネルギー源として登場し、石油を燃焼させる内燃機関の開発により更なる社会の繁栄をもたらしている。資源エネルギーの転換は世界の技術、産業、経済、そしてライフスタイルそのものに大きな影響を及ぼすことから、世界の資源エネルギー動向を把握し、それを反映した資源エネルギー政策を立案することが、日本を含め世界各国で欠かせないものとなっている。特に、再エネや省エネ高効率機器の大量導入は化石燃料からの脱却を進める一方、再エネ設備や蓄電池などの製造に必要不可欠な鉱物資源への依存を益々高め、新たな資源リスクとなることが懸念される。

本プロジェクトでは、「エネルギー転換」と呼ばれるかつてない変化の時期にある中、それがどのような影響を及ぼすのか、世界の動向を把握しつつ、新たな資源リスクという視点から日本への影響を分析し、対応の方向を探ることを目的とする。

 

プロジェクトリーダー

平沼光  東京財団政策研究所研究員

プロジェクトメンバー

中川恒彦      日中自動車社会研究所 代表取締役(日産(中国)投資有限公司提携先)

中島賢一      株式会社リーテム会長(早稲田大学環境総合研究センター研究員)

松八重一代  東北大学大学院環境科学研究科教授