水産資源管理における社会経済的な公平性と生態系影響要因評価研究

本プロジェクトでは、制度・地域特性比較研究と計量経済・経営分析、並びに社会経済学等の知見をベースとして、日本の第一次産業の競争力の向上に資する諸外国の事例に学びながら、水産資源管理政策の公平性と生態系影響要因を分析し、中長期の構造的課題を示すことを目指す。また、基本的データ収集と科学的資源管理の重要性を明らかにし、日本の課題と政策の方向付けをすることを目的とする。
主要な漁業先進国のうちで漁業養殖業の漁獲量が急激かつ1980年代半ばから継続して30年間減少している国は日本のみである。これは日本が明治時代からの漁場と人間関係の利害調整、すなわち漁業調整に主体を置いた漁業法制度を継続して、科学に基づく資源管理を入れた漁業政策を採用してこなかったことが主たる背景としてあげられる。
一方、漁業政策の先進国は、積極的に水産資源の持続的利用のための管理等(数値目標設定を含む)に関する政策を進めている。具体的には科学的根拠に基づく漁獲総量の設定と個別の漁業者への割り当て(譲渡性を含む)を徹底し、資源の保護持続性、産業としての生産性と消費者の志向に応えている。更に、制度の頑健性、持続性と透明性の向上を目指し、改革の第2段階に入っている国(ノルウェーとニュージランド)も出現している。
こうした状況を踏まえ、本プロジェクトでは、主要な先進国の現状と対応を日本国内の状況にも照らしつつ、日本に適切な資源管理・漁業管理の在り方について俯瞰的、かつ専門的視点に立つとともに、各論的視点にも立って調査研究ならびに評価を行い、日本がとるべき政策の方向性を提示する。

 

 プロジェクト・リーダー: 

小松正之 東京財団上席研究員

メンバー:

有薗眞琴    元山口県水産振興課長

ビルコート    トランス・パシフィック・フィッシャリーズ社長

寳多康弘     南山大学経済学部教授

八田達夫   東京財団名誉研究員

望月賢二    元千葉県立博物館長