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【紹介記事】ゲエノ国連PKO担当事務次長講演(PKO 60周年セミナー)

August 1, 2008

都築正泰
東京財団「国連研究プロジェクト」アシスタント(東京大学大学院法学政治学研究科)


6月8日、国連大学において「国連PKOの60年:進化と新たな挑戦」をテーマとしたセミナーが開催されました(主催:国連広報局、協力:外務省、国連PKO局、国連大学、国連広報センター)。

東京財団からは北岡伸一主任研究員がパネリストして参加しました。当日のセミナーの概要が国連広報局のサイトに掲載されていますので、こちらをご紹介いたします。たいへん興味深いものですので、ぜひご覧下さい。

国連広報局へのリンク はこちらです(英語)。

このセミナーの冒頭、ジャン=マリ・ゲエノ(Jean-Marie Guéhenno)国連PKO担当事務次長(任期:2000年10月~2008年6月)が基調講演を行っています(注)。ここでゲエノ氏は、1948年に初めてPKOが展開されて以来の60年を振り返り、国連PKOの有用性と今日の課題を指摘しています。

1990年代初頭のカンボジア、モザンビークでの成功の後、バルカン、ルワンダでの失敗・挫折から一時退潮傾向になったものの、近年再び活動が活性化している背景として、国連PKOの効率性が広く認識されるようになっているとゲエノ氏は述べています。現在も課題は多くまた常に成功するわけではないが、年々専門性と即応性を向上しており、限られたコストで紛争下で苦しむ人々を救う最終手段として国連PKOが発展していると指摘しています。

しかし今日、国連PKOは深刻な課題を抱えているとゲエノ氏は述べています。それは、ますます野心的なアジェンダが提起される一方で、国際社会、特に安保理メンバー国間の連携が欠如している点です。安保理が発するマンデートが明確な方向性を示さない限り、PKOの現場で起こるのは「混乱」のみであるとゲエノ氏は述べています("So, when there is a fudge in the Security Council, there is a mess on the ground.")。PKOが再び脚光を浴びているこの8年間に担当の事務次長を務めたゲエノ氏の発言は、まさに国連PKOの進化とともに新たな挑戦を示しています。


(注):ゲエノ事務次長は近く退任する予定です。なお、ゲエノ氏の後任には、6月30日付ですでにアラン・ルロワ仏会計検査院上席判事兼地中海連合構想担当大使が任命されています。

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