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「食の学問体系化」第3回有識者会議開催報告

March 5, 2008

「食の学問体系化プロジェクト」では、3月4日に第3回有識者会議(最終回)を開催しました。これまでの有識者会議では、1. 食と農産業のあるべき姿、2. 必要とする人材のイメージ、3. 必要とする知的インフラのイメージ、4. 大学院カリキュラムのあるべき姿(知的インフラの具体案として)、について議論を重ねてきました。今回は、これらの議論を基盤として、大学院カリキュラムのあるべき姿について、原田信男委員および三石誠司委員より、食文化専攻と食産業学専攻のカリキュラム案をそれぞれ発表頂き、その上で、石毛座長を中心に、知的インフラのイメージについて、以下のような点から議論の深化を図りました。


・「食の大学院」は、日本(とアジア)の食文化を体系的に学べる教育・研究機関という位置づけと、食業界の付加価値産業化に資する実用的な人材教育機関という役割を兼ね備えた、社会人向け大学院を前提とする。

・食は、生活や環境などあらゆることが関連する総合的な分野である。その意味で、カリキュラムは、「食」の直接的領域だけでなく、地球エコシステム全体における位置づけや農業との関わりなど、総合的視野をもったものとする。

・「食べる」とは外部環境を体内に取り込むことであり、そこに食文化の中核がある。そこで、「食の大学院」では、食の環境的側面(生産における環境への作用)、技術的側面(調理)、生理学的側面(人体への作用)、そして社会的側面(「食事行動」)を一連のサイクルとして重視する。

・カリキュラムには生産者やビジネスの視点だけでなく、消費者の視点も盛り込む。フィールドワークや実習も重視する。


本プロジェクトでは、これまでの成果を報告書にまとめ、今後、食産業・大学関係者等に対して提言活動を行っていくほか、公開シンポジウム等でも広く発信していく予定です。食と農への関心が高まっている中で、こうした活動を通じ、食の学問の知的体系化と、日本の食文化・食産業を担う人材の体系だった育成が急務であることを訴えていきます。


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