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愛媛県西予市議会「議会基本条例」研修会

August 4, 2010

2010年7月29日、愛媛西予市の市議会議員9名が東京財団を訪れ、議会基本条例についての研修会が開かれた。

最初に、当財団・赤川研究員より、近年、裁判員制度やNPOなどの活動の活発化によって、市民参加の位置づけが変化してきており、市民が地方自治にも積極的に参加していく世の中になる中、議会への市民参加をどうしていくべきか。という問題意識を説明した上で、東京財団・議会基本条例モデルに関する基本的考え方、栗山町や名古屋市など他の市町議会での議会基本条例の成立過程などを紹介しました。

その後、西予市議会議員より、「会派として、議会報告会を行っているが、住民側も慣れていない。どのような工夫が必要か」「議会報告会という形で、報告会を行う場合、他の市議会ではどのような方法をとっているのか」といった議会報告会に関する質問が相次ぎました。

赤川研究員から、「報告会の前半は議会で採決された条例等につき報告し、後半には、議会と首長の役割との違いの説明などまずは、議会と市民を近づけるようなテーマを話し、市民に議会に関心を持ってもらうことが大切。重要なのは個人の政策ではなく、議会としてどのようなことを行っているかということを説明すること。また、議会として報告会を行う際、1班5名程度で、3~4班に分かれて、どの班も同じ内容の資料で説明を行うことが重要。」といったアドバイスがあった。

さらに、「全国画一的に議会基本条例を作らなければならないというのは、どうか。市民が望んでいるならいいが、必要ないところにわざわざ作る必要があるのかという気持ちもある」との率直な疑問に対し、赤川研究員からは、「名古屋市議会のように、改革派首長などが登場した際、議会自らが市民に説明したいという姿勢になる時が来る。市民と議会がどうあるべきかということも含め、今から議会で話し合うことが必要で、議会基本条例が一種の流行にようだから作ろうというのではいけない。」
また、大沼から、「国会でも定数削減や歳費の日割りといった議論がされているように、地方議会でも定員数や報酬について市民の関心が高まっている。日頃から市民に議会の役割などを説いておくことで、こうした議論が提起された時も市民に理解を求めやすい素地を作ることになる。」とコメントした。

最後に、元親孝志議員から、「これまで栗山町なども視察し、全国でこれだけ広がっている議会基本条例についてまずは、前向きに勉強していこうという姿勢である。特別委員会の設置方法等も含め、今後検討を始めたい」との挨拶があった。

東京財団は、今後も議会基本条例の制定が各地で行われるべく、原則は示しつつも、それぞれの地域に合った助言をしていく方向だ。

(文責:東京財団研究員・政策プロデューサー 大沼瑞穂)

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