東京財団政策研究所「2020年アメリカ大統領選挙と日米経済関係」プロジェクト(対外政策ユニット)での研究成果をまとめた書籍が、『トランプ政権の分析――分極化と政策的収斂との間で』(日本評論社)として刊行されました。
本書は、統治手法、政治的環境、政治的遺産、内外政策などの側面から、4年間のトランプ政権を多面的に分析したものです。
「2020年アメリカ大統領選挙と日米経済関係」プロジェクトによる特集「【特集】アメリカ大統領選挙 2020」掲載の論考とあわせて、ぜひ本書をご一読ください。
『トランプ政権の分析――分極化と政策的収斂との間で』 東京財団政策研究所 監修、久保文明 編 |
内容紹介
本書は、2017年1月から2021年1月までのトランプ政権の実績を、“政策の変化”という観点から分析するものである。アメリカでは、民主党・共和党間での政権交代が定期的に行われており、政党間のイデオロギー的距離も広がっているため、政策の変化・揺れ・振幅が、諸外国に対して比較的大きい。
ただし、トランプ政権の政策には、共和党主流の立場と合致したものもあれば、そこから大きく逸脱したものもある。しかしながら、このような側面にはあまり触れずにトランプ政権に対して粗い評価がなされているため、本書はこの部分に留意しながら、4年間のトランプ政権を分析するものである。中国との摩擦・軋轢が激化している状況に鑑みても、アメリカをはじめ今後の世界政治・外交を分析していくうえで、重要かつ示唆に富むものである。
目次
はしがき (久保文明)
第1章 ドナルド・トランプは大統領制を変えたのか?(梅川健)
第2章 分極化と議会(前嶋和弘)
第3章 アイデンティティ・ポリティクスの激化(松井孝太)
第4章 トランプ政治とメディア――分極化の加速(山脇岳志)
第5章 トランピズムと共和党――保守派の「再編」を中心に(宮田智之)
第6章 トランプ政権における財政規律問題(中林美恵子)
第7章 ネオコン/レーガン派の居場所はあるか(高畑昭男)
第8章 トランプ政権下の米中関係――ワシントンにおける政策的収斂と太平洋を挟んだイデオロギー的分極化(村上政俊)