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研究会報告:議会基本条例の分析(3)

July 27, 2009

第4回研究会概要

日時:2008年7月24日(金)14:00-16:00
場所:東京財団E会議室
出席者:
木下敏之  東京財団上席研究員
福嶋浩彦  東京財団上席研究員
中尾修   東京財団研究員
赤川貴大  東京財団政策研究部研究員兼政策プロデューサー

議論・意見交換の内容

7月1日に開催した「政策懇談会 地方議会の改革 ニセ議会基本条例を斬る」や「自治体総合フェア2009」、いくつかの地方議会議員との意見交換会等での議論を受け止めると、議員の多くが市民参加のあり方について試行錯誤していることが理解できた。

全国の志ある議員が、議会改革に取り組もうと懸命に活動している。栗山町や他の自治体の議会での議会基本条例を制定したことは、多くの議員の耳には入っている。そのような時代の流れ、潮目には議員は敏感に反応する。政治家としての勘は鈍っていない。ただ、まだノンビリした議員生活をやめるほどの危機感は共有されていない。積極的な市民の参加やマスコミ報道で行動に変化が現れる。

テーマを決めず議会報告会を開催することに対して、市民からの批判にさらされることを理由に躊躇する議員は少なくない。同僚議員と比較され、能力の差が歴然となることを嫌がる。だが、実は議会報告会では議員一人ひとりが主役になれる。そもそも議員は選挙で主役として活躍してきた。主役好きですから、最初はドキドキして慎重に発言しているが、主役を実感できるとイキイキと演じている。

議会報告会を呼びかけるのは、全市民を対象としなければならない。議員の後援会や所属会派で報告会を開催しても、参加者は特定の市民であり偏りがある。議会報告会の代わりにはならない。

多くの議員は特定の分野に精通しているわけではなく、行政の職員に比べると専門性に劣ると考えている。しかし、4年間の任期でしっかり勉強すると議会での通常の議論では見劣りしない。しかも行政職員は自らの希望とは関係ない業務に携わるが、議員は磨く専門分野を選択できる。

市民の多くは議員報酬や政務調査費に向いている。これは大事なことだが、議員の活動との比較で見なければ意味はない。議員がどのような活動をどのくらいの時間を費やしているのか、しっかり検証しないと議論が噛み合ってこない。議員も多忙を強調するだけでは、市民の理解や納得は得られない。活動を具体的に説明する努力が必要だ。

アンケート調査の概要

既に48市町村の議会事務局にアンケート用紙を送付し、回答を頂いているが、補足する調査を行っている。今後、いくつかの市町村議会を訪ね、議長や議員、議会事務局職員との面談でより詳しい調査を行う予定である。


(文責)赤川貴大

    • 元東京財団研究員・政策プロデューサー
    • 赤川 貴大
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