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財政危機時の緊急対応プラン

日本において財政危機が生じた際に、政府・日銀が取るべき具体的対応策について、数値シミュレーションや法的制度的分析に基づき提言する。本研究のスコープは危機時の対応であり、危機の要因分析ではない。政府が危機時に迅速かつ的確な対応を取ることを可能とし、国民生活の損失を抑えることを研究の目的とする。
財政危機はテールリスクであり、各時点での発生確率は非常に低い。ただ、発生すれば国民生活に甚大な負の影響を与えうる。想定外は許されない。市場の投機的な動きを未然に防ぐ上でも、緊急対応策の準備は有益だ。
本研究における危機対応策は、長期金利のレベルに応じて「危機の前兆的段階」と「危機の初期段階」の 2 段階に分かれる。危機時の状況を、数値シミュレーションの実施などを通じて具体的に設定し、危機時の市場沈静化対策、財政の応急措置、緊急時の歳出削減案などの対応策を、具体的数値と法的根拠に基づき提示する。また、国債保有率が50%を超える状況になっている日本銀行については、危機時の財務状況のシミュレーションと信認保持のあり方につき、補論として詳しい分析を行う。

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