ポスト・コロナ時代の経済政策レジームに関する研究
経済政策に対する考え方の枠組み(経済政策レジーム)は、これまでも大きな変貌を遂げてきた。第二次大戦後暫くは、政府が経済面でも重要な役割を果すケインズ主義的な考え方が主流だったが、1980年頃からは市場メカニズムを強く信頼して、国内的には規制緩和や減税、対外的にはグローバル化を進めようとする新自由主義的なレジームが主流となった。このレジームでは、マクロ安定化政策に関しては金融政策が主役となり、経済格差に関してはトリクルダウンを通じた所得の均霑に期待することとなる。
しかし、21世紀に入ると、こうした新自由主義に対する失望が拡がって行った。多くの先進国で経済格差が拡大する一方、規制緩和やグローバル化は必ずしも経済成長の加速にはつながらなかった。2007~08年の世界金融危機は、市場メカニズムの欠陥と金融政策の効果の限界を明らかにした。さらに2020年の春、世界をコロナ危機が襲うと、経済への壊滅的なダメージを抑えるには国家が先頭に立つほかないことも確認された。
こうした過去20年余りの経験から、今後は新たな経済政策レジームを模索する時代が訪れるだろう。本研究では、幾つかの既往研究の成果を踏まえつつ、ポスト・コロナ時代の経済政策レジームを展望する。
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