【東京財団政策研究所ウェビナー】新型コロナウイルス対策共同提言フォローアップ

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【東京財団政策研究所ウェビナー】動画配信:新型コロナウイルス対策共同提言フォローアップ

2020317日発表の経済学者による共同提言「新型コロナウイルス対策をどのように進めるか?―株価対策、生活支援の給付・融資、社会のオンライン化による感染抑止―」は、新型コロナウイルス感染症が国民生活と経済システムに及ぼす深刻な脅威に対し、経済学者の立場から、いま求められる経済政策を提言したものである。

東京財団政策研究所ウェビナー(Webinar)第一弾となる本特集では、先に発表した共同提言をアップデートし各提言の解説や、賛同者や一般の方から頂戴したご意見に対する回答を発信することを目的として、共同提言の発起人である小林慶一郎(東京財団政策研究所研究主幹)と佐藤主光(一橋大学国際・公共政策研究部教授)らにより、共同提言発表から1ヶ月経過した今、政府が打ち出した緊急経済政策や、共同提言賛同者らのコメント等を踏まえた現状分析、今後の課題等を議論する「東京財団政策研究所ウェビナー『新型コロナウイルス対策共同提言フォローアップ』」を全体概要と8つの提言毎の動画でまとめた。

感染症のパンデミックという経験のない事態に直面し厳しい状況が続いており、様々な政策の議論に混乱が見られる中、感染リスクの抑制と両立する経済対策について、検討の一助となれば幸いである。

 

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[2020 年4月16日収録]

東京財団政策研究所ウェビナー
「新型コロナウイルス対策共同提言フォローアップ」

■動画配信(YouTubeへ移動)
CHAPTER 0:はじめに(主旨・概要解説)[16:28]

CHAPTER 1:提言1「感染拡大を防ぐ:政府はオンライン診療を迅速に普及させよ」[9:58]

CHAPTER 2:提言2「賢明な財政出動:社会のデジタル化による長期的な感染抑制」[10:45]

CHAPTER 3:提言3「効果を検証できる仕組みを:検査体制の整備」[12:05]

CHAPTER 4:提言4「効率的な医療提供体制の拡充を:民間宿泊施設の借り上げによる隔離施設の整備」[10:02]

CHAPTER 5:提言5「株価対策:日本銀行は 100 兆円の介入上限額にコミットを 」[9:09]

CHAPTER 6:提言6「所得減に対処する:現金給付とリアルタイムの所得把握」[8:46]

CHAPTER 7:提言7「手元資金(流動性)不足の解消:生活支援の無差別・無条件の緊急融資を」[10:08]

CHAPTER 8:提言8「企業への支援:激変緩和とともに長期的な新陳代謝の促進を」[12:54]

動画配信

はじめに(主旨・概要解説) [16:28]

新型コロナウイルス感染症に対する経済政策的な対応について、求められる基本的な原則は「1.感染拡大の抑止」と「2.短期的な経済的インパクト(所得の減少と流動性の不足)の軽減」と「3.長期的な産業構造変化の促進」である。

パンデミックという「今、そこにある危機」に対してあらゆる政策手段を総動員して感染の収束に努めるとともに、中長期的に新型コロナウイルスに対して強靭な耐性を持った経済社会を作り上げる必要がある。ここでは提言全体像について政府の緊急経済対策への考察を交えて議論する。(提言序文

提言1.感染拡大を防ぐ:政府はオンライン診療を迅速に普及させよ [9:58]

まず、短期的な感染抑止の課題として医療のデジタル化がある(提言1)。感染リスクのある対面の診療を減らし、オンラインの遠隔診療を増やせるよう早急に制度整備をする必要がある。新型コロナはこれから数年あるいは恒久的に人間社会を脅かし続ける存在になる可能性が高い。オンライン診療はなぜ普及しないのか。普及を阻む壁についても言及し議論を進める。

提言2.賢明な財政出動:社会のデジタル化による長期的な感染抑制 [10:45]

経済社会を構造的に変えて、長期的に感染を抑止できる社会にすることが必要である。そのためには経済活動をはじめ人間の社会的活動のあらゆる面でデジタル化を進展させることが求められる(提言2)。ここでは、緊急時の財政出動と平時の財政健全化の財源の違いを踏まえた、消費税減税に対する考察も交え議論をする。

提言3.効果を検証できる仕組みを:検査体制の整備 [12:05]

これから長期的に、新型コロナ感染症の流行状況を常時モニターしエビデンスにもとづいた対策を立てられるよう、検査体制を充実することが必要である(提言3)。検査数自体が少ないと言われる日本について、リアルタイムで正しい情報による政府の判断は可能なのだろうか。検査体制の拡大・迅速化を現場(自治体)任せではなく、国の責任の下で統一的に整備するべきではないのか等、「検査体制」の現状と課題について議論する。

提言4.効率的な医療提供体制の拡充を:民間宿泊施設の借り上げによる隔離施設の整備 [10:02]

政府が国民に経済活動の自粛や学校の休校などの甚大なコストを負担させて新型コロナ感染症の流行を遅らせようとした理由は、時間を稼いでいる間に医療提供体制の能力を増強し、今後の死亡者数を減らすためである、というのが政府の説明(約束)であった。医療提供体制の拡充にあたっては、一時的な必要のために恒久的に病床を増加させるような非効率は避けるべきである。感染者の8割と言われる軽症者・無症状感染者は高度な治療を必要としないのであるから、彼らの入院施設は設備の整った病院である必要はない。全国各地で旅館・ホテルを政府が臨時に借り上げ、軽症・無症状者を隔離するための入院施設とすれば旅館・ホテル業界に対する強力な支援策ともなり一石二鳥であると考える(提言4)。日本における病床数の現状とこれからの打ち手について議論する。

提言5.株価対策:日本銀行は 100 兆円の介入上限額にコミットを[9:09]

外出やイベントの自粛などによって経済活動が停止し、多くの人が所得の急減や手元資金(流動性)の枯渇に直面している。経済活動の停滞が株価暴落を引き起こし、それがさらなる経済活動の停滞を引き起こすという悪循環が発生しつつある。

悪循環のもっとも大きな動因は株式市場の混乱である。株価の暴落が長期化すれば、金融システム全体の危機につながりかねない。経済全体への波及を防ぐために日本銀行などによる株価の下支えは正当化される(提言5)。株価下落の原因が市場参加者の投機行動ではなく、まったく市場と無関係な感染症であることも、公的資金による株価対策を道義的に正当化する。市場の信頼(コンフィデンス)を回復するために、政策当局が100兆円程度の介入上限額を表明すればメッセージ性は高い。株価の下支えは本当にするべきなのか、賛同者からの賛否が最も分かれた提言5について賛同者からのコメントにも触れながら、提言をアップデートする。

提言6.所得減に対処する:現金給付とリアルタイムの所得把握 [8:46]

家計への支援として消費税の減税を主張する向きがある。しかし、緊急時において重視すべきは(不要不急なものを含む)消費への補助ではなく、最低限の生活が確保できるような収入への支援であろう。家計の所得の急減を補償するためには選択的な現金給付が望ましい(提言6)。しかし、緊急時には、現金給付の必要な家計とそうでない家計を政策当局が見分けることは困難である。事前申請ではなく事後の調整による給付について議論する。また、所得の急減が一時的であれば、必要な支援は現金を贈与することではなく、一時的に現金を融通すること(流動性不足を融資で解消すること)である。そのためには家計に無差別・無条件の公的緊急融資を行うことが適切である(提言7)。事後的に生涯所得の少ない人は返済減免するルールにすれば、緊急融資は公正な現金給付に近いものになる。「課税」と「給付」の主幹分離による日本が抱える構造的な問題や、「給付」か「融資」かの二択ではない新たなスキームについて検討する。

提言7.手元資金(流動性)不足の解消:生活支援の無差別・無条件の緊急融資を [10:08]

提言8.企業への支援:激変緩和とともに長期的な新陳代謝の促進を [12:54]

新型コロナウイルス感染症は、これから非常に長期的に人間社会を脅かし続ける感染症として定着する可能性が高い。その場合、観光、外食、レジャーなど多くの産業で需要のレベルが恒久的に低下する。一方、マスクや消毒薬、オンラインの会議サービスなど、需要が激増するセクターもある。大きく急速な産業構造変化が起きるだろう。その環境下ではこれまで通りのビジネスモデルでは立ち行かなくなる事業も多数あると予想され、産業構造変化に伴う企業の事業構造変革や新陳代謝が不可欠である。いま新型コロナ問題で急激な業績悪化に苦しむ中小企業を支援すべきことは言うまでもないが、それとともに適正なスピードでの事業の新陳代謝を促す政策も組み合わせることが必要である(提言8)。一般の方からのご意見が多く寄せられた提言8について、提言の背景となる解説を交え、今後の日本や世界が迎えるであろう新たな産業構造について議論をする。

 

各提言の内容はこちら

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<東京財団政策研究所ウェビナー(Webinar)の開催にあたって>

東京財団政策研究所では従来から、総計100回以上に及ぶ東京財団政策研究所フォーラム、各種公開研究会などの開催を通じて、カンファレンス・セミナー形式での政策研究成果の発信、参加者との相互交流などに努めてまいりました。この度、新型コロナウィルス感染症の世界的な拡がりを受けて多人数での集いが制約される中、東京財団政策研究所は新たにウェビナー(Webinar)を開催していくことといたしました。ウェビナーとはウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を組み合わせた造語で、数年前から米国を中心に拡がってきた試みです。

私たちは、このウェビナーを当座しのぎのものとは考えていません。従来型のカンファレンスやセミナーの制約された代用品にするつもりもありません。即時性、双方向性などウェブならではの特長を生かし、時代の変化に合わせた新しい形の政策論議、知的交流の場として、今後、発展させていきたいと考えています。当初は不慣れゆえの試行錯誤もあるかと思いますが、そこはご寛容いただきつつ、末永くお付き合いいただきますようお願い申し上げます。

 

小林 慶一郎/Keiichiro Kobayashi

小林 慶一郎

  • 研究主幹

研究分野・主な関心領域

  • マクロ経済学
  • 金融危機
  • 経済思想

研究ユニット

経済政策・経済思想ユニット

佐藤主光

佐藤 主光

  • 一橋大学国際・公共政策研究部教授