R-2022-145
「教職の制度設計の再構築」が問題になってはいるものの、躍起になっているのは文科省や教育委員会など直接の利害関係組織だけ。教員のなり手が不足すれば、当然、質も下がり、日本の存亡にもかかわる、ということを政財界が理解しているようには見えません。切迫感が乏しいのです。それは国の全国学力テストだけでなく、PISA、TIMSSなどの国際調査が、日本の子どもたちの学力に問題がない、ということを示しているからでしょう。
ところが現実社会はそう語っていません。「読み・書き・そろばん」という基礎学力に課題があるのは、小中高校の児童生徒だけでなく、大学生でも同様。企業でも問題視され、社員対象の学力テストを実施している企業も現れています。
根底にあるのは、公立小・中学校の教員の「学力不足」です。教員の学力テストを実施した例はないけれど、大学全入時代や教員採用試験の実態から、教員の「読み・書き・そろばん」能力に大きな問題があることは、当然の結果と言えるでしょう。
本ウェビナーでは、「社員の学力不足」を企業の人事責任者が証言します。さらに、その根底にある「教員の問題」を教材作りや教員研修などを支えてきた数学者から解説しました。また、登壇者のそれぞれ異なる立場から活発な議論を行いましたので、是非ご覧ください。
◆ 登壇者
(敬称略、五十音順)
井出 隆安 |
・1946年長野県生まれ。前杉並区教育長。杉並区立久我山小学校長、東京都教育庁指導部長、同人事企画担当部長などを歴任。 |
牛瀧 文宏 | ・1962年兵庫県生まれ。京都産業大学理学部教授・理学部副学部長。 |
大平 真吾 | ・1963年東京都生まれ。食品メーカー人事総務部門 本部長。 |
松本 美奈 | 東京財団政策研究所 研究主幹(「教職の制度設計を再構築する 量の確保・質の担保の視点から」プログラム研究代表)※モデレーター |
動画「1/2+1/3=2/5 ~分数ができない大人~」
発表資料①松本美奈(モデレーター)
発表資料②大平真吾氏
発表資料③牛瀧文宏氏
発表資料④井出隆安氏
「教職の制度設計を再構築する 量の確保・質の担保の視点から」研究プログラム運営
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