資源・エネルギーユニット

資源・エネルギーユニット

ユニットメンバー

日本は、化石燃料や鉱物資源、食糧資源の多くを海外からの輸入に依存しており、資源エネルギー関連の多くの課題を抱えていた。さらに近年では、福島第一原子力発電所事故によるエネルギー政策の再構築や少子高齢化をはじめとした社会・経済構造の変化もあり、脱原発、土地の所有者不明問題、水産資源の減少など、日本の資源やエネルギーを巡る様々な問題が表面化しつつある。本ユニットでは、こうした日本の抱える構造的な課題に取り組み、持続可能な社会を作り上げていくために、様々な観点から政策提言を目指す。

「加速するエネルギー転換と日本の対応」プロジェクト

世界的な平均気温上昇を2℃未満に保つというパリ協定の目標達成を目指し、先進各国では2030 年の再生可能エネルギー(以下、再エネ)比率をおよそ4050%にまで引き上げるという目標を掲げるなど、世界はエネルギー転換に向けて政策の舵を切ってきた。

パリ協定の目標達成をめざしてエネルギー転換が進められてきたが、2018 10 月には気候変動に関する政府間パネル(IPCC)から、地球温暖化を1.5℃に抑えることが持続可能な世界を確保するために必要であり、そのために再エネの電力構成比率を2030 年の時点で4860%にする必要性があるとした特別報告書が公表され、エネルギー転換をさらに加速しなければならない事態になっている。

こうした状況の中、日本においてもエネルギー転換の動きに対応していく政策方針が示されているが、実態となる政策目標では、2030 年の再生可能エネルギー導入目標2224という低い目標をいまだに踏襲していることなど、政策の方針と実態が乖離している状態となっている。エネルギー転換に遅れることは、気候変動問題における日本の国際的なプレゼンスを失うだけでなく、再生可能エネルギーの活用をはじめとするエネルギー技術の革新が進まず、日本の産業競争力の喪失に繋がりかねない。

本研究では、日本のエネルギー政策の方針と実態が乖離してきているという状況の中、世界で加速しているエネルギー転換にどのように対処すべきか、日本の課題を分析し、施策を提示することを目的とする。

 

研究メンバー(50音順)

橘川 武郎  国際大学国際経営学研究科 教授(※プロジェクトリーダー)
黒崎 美穂  ブルームバーグNEF 日本韓国分析部門長
杉本 康太  東京財団政策研究所 ポストドクトラルフェロー
瀬川 浩司  東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 教授
高村 ゆかり 東京大学未来ビジョン研究センター 教授
平沼 光   東京財団政策研究所 研究員兼政策オフィサー(※プロジェクトリーダー[共同])

「ブルーエコノミーの国際動向と日本の状況分析」プロジェクト

2017年6月、ニューヨークの国連本部において、持続可能な開発目標14SDG14)「海および海洋資源の保全を通した持続的な利用」の達成に向けて、ブルーエコノミーの推進について議論を行う初の国連海洋会議が行われた。ブルーエコノミーとは、海洋生態系を保護し、海洋資源の持続的な利用による社会の発展を目指すもので、SDGsの進展とともに、今後議論が活発化し、各国の具体的な動きも始まりつつある。

日本は四方を海に囲まれ、領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせると世界第6位という広大な海を有していることから、ブルーエコノミーの推進は今後の日本の発展を考える上で重要なテーマである。本研究では、世界がその取り組みを加速させつつあるブルーエコノミーについて、各国の動向を把握するとともに、日本の状況を調査・分析し、日本の海のポテンシャルを十分に活かすブルーエコノミーの推進に資する情報を発信することを目的とする。

 

プロジェクトリーダー:平沼 光 東京財団政策研究所研究員・政策オフィサー
プロジェクトメンバー:
池上康之 佐賀大学海洋エネルギー研究センター教授
小林正典 東京財団政策研究所主任研究員、笹川平和財団海洋政策研究所主任研究員
渡邉敦  東京財団政策研究所主任研究員、笹川平和財団海洋政策研究所主任研究員

「エネルギー転換における新たな資源リスク」プロジェクト(2017年度-2019年度)

「エネルギー転換における新たな資源リスク」プロジェクトでは、「エネルギー転換」と呼ばれるかつてない変化の時期にある中、それがどのような影響を及ぼすのか、世界の動向を把握しつつ、新たな資源リスクという視点から日本への影響を分析しその対応を示すことを目的とする。

パリ協定の目標達成に向けて、批准国各国は自国の温室効果ガスの排出削減目標である約束草案(INDC)の実現という同じ方向にむけて、具体的なエネルギー政策を施行していくことになる。それは、世界的な脱化石燃料を進める一方、再生可能エネルギーと省エネ高効率機器などのクリーンエネルギー分野の大幅な普及を各国が目指す「エネルギー転換」というかつてない変化に向けて世界の動きが加速することを意味する。

「エネルギー転換」の動きは従来のエネルギー需給構造を覆し、地政学的なパワーバランスにも影響を及ぼすものである。特に、「エネルギー転換」の影響による再生可能エネルギーや省エネ高効率機器の大量導入は、化石燃料からの脱却を進める一方、再生可能エネルギー設備や蓄電池などの製造に必要不可欠なレアメタルをはじめとする鉱物資源への依存を益々高め、供給の不安定化という新たな資源リスクを生み出すことが懸念される。「エネルギー転換における新たな資源リスク」プロジェクトでは、「エネルギー転換」の影響により生じる鉱物資源リスクについて、その対応を探り提示する。

プロジェクトリーダー:平沼光 東京財団政策研究所研究員・政策オフィサー
プロジェクトメンバー:
中川恒彦 日中自動車社会研究所 代表取締役(日産(中国)投資有限公司提携先)
中島賢一 株式会社リーテム会長
松八重一代 東北大学大学院環境科学研究科教授

「所有者不明化問題についての発信」プロジェクト(2018年度-2019年度)

「所有者不明化問題についての発信」プロジェクトは、近年、急速に社会的関心の高まっている土地などの「所有者不明化問題」について、ウェブサイトなどによる発信を通じて解決に向けた議論を牽引していくことを目的とする。

所有者不明化問題とは、不動産登記簿などの各種台帳では土地の所有者の所在や生死が直ちには判明せず、土地利用の障害となる事象を主に指す。東日本大震災の復興事業で大規模に表面化したのをはじめ、都市部の空き家対策や農村部の耕作放棄地問題でも所有者探索の難航が現場の足かせになるなど、近年、社会問題として認識が急速に高まっている。

これを受け、解決に向けた取り組みが政府レベルで進み始めている。2018年6月に「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」が成立し、「骨太の方針2018」には、今後、問題の拡大を防ぐため、2020年までに必要な制度改正を実現することが明記された。

しかし、急速な動きの一方で、こうした政策議論の土台となる分析はいまだ十分とはいえない。論点が多岐にわたるこの問題は、分野間の横断的な議論も重要だ。そこで「所有者不明化問題についての発信」プロジェクトでは、本ウェブサイトに政策議論のハブとなる特設ページを設け、各分野の専門家・関係者による多角的な議論をわかりやすく発信・蓄積する。それによって、進行中の政策論議の一つの核となるとともに、社会全体での議論の深化に寄与することを目指す。

プロジェクト担当:吉原祥子 東京財団政策研究所研究員・政策オフィサー
ウェブメンバー:
山野目章夫 早稲田大学大学院法務研究科教授
増田寛也 東京大学公共政策大学院客員教授、野村総研顧問
安藤光義 東京大学大学院農業生命科学研究科教授
大石久和 国土技術研究センター国土政策研究所長
片山健也 北海道ニセコ町長
高村学人 立命館大学政策科学部教授
中川雅之 日本大学経済学部教授
野澤千絵 東洋大学理工学部建築学科教授
藤巻慎一 森ビル執行役員

ユニットメンバー

平沼 光/Hikaru Hiranuma

平沼 光

  • 研究員
小林 正典/Masanori Kobayashi

小林 正典

  • 主任研究員
杉本 康太/Kota Sugimoto

杉本 康太

  • 博士研究員
渡邉 敦/Atsushi Watanabe

渡邉 敦

  • 主任研究員
吉原 祥子/Shoko Yoshihara

吉原 祥子

  • 研究員

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