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「水みんフラ」曼陀羅ポスターのDLはこちら(PDF:1.9MB)
我が国は、先人の不断の努力によって豊かな水の恵みを享受し、日常生活では水の災いを気にせずにいられるようになった。しかし近年、グローバルな気候変動による水害や干ばつの激化、高潮リスクの増大、食料需要の増加などが危惧され、さらには世界に先駆けて進む少子高齢化により、森林の荒廃や耕作放棄地の増加、地方における地域コミュニティ衰退や長期的な税収減に伴う公的管理に必要な組織やリソースのひっ迫が顕在化しつつある。さらにはこうした危機感が、政府や地方自治体、政治家、企業、市民など関係する主体間で共有されているとは言い難い。
未来の水ビジョンプログラムは、次世代に対する責務として、水と地方創生、水と持続可能な開発といった広い文脈から懸念される課題について調査研究を行うとともに、多様な視点をもつ有識者や実務家等と議論を重ね、提言「水みんフラ—水を軸とした社会共通基盤の新戦略—」をまとめた。私たちの豊かで安全、健康で文化的な暮らしを支える有形無形の社会共通基盤システムを「みんなのインフラ」という意味で「みんフラ」と名付け、特に水をマネジメントする社会の仕組み全体を「水みんフラ」と呼び、社会全体で支えていこうという趣旨である。本書が関係者の議論を深めるきっかけとなれば幸いだ。
目次
- はじめに
- 提言要旨
- 序章
(東京財団政策研究所 研究主幹 沖 大幹) - 1-1 集約型と分散型の上下水道システム
(東京財団政策研究所 研究主幹/大阪大学 感染症総合教育研究拠点 特任教授 村上 道夫) - 1-2 グリーンインフラを活用したコミュニティでの水管理
(東京財団政策研究所 主席研究員/雨水市民の会 理事 笹川 みちる) - 2-1 「水みんフラ」としての農地
(東京財団政策研究所 研究主幹/水ジャーナリスト 橋本 淳司) - 2-2 「水みんフラ」としての地下水
(東京財団政策研究所 研究主幹/水ジャーナリスト 橋本 淳司) - 3 流域治水の「水みんフラ」
(東京財団政策研究所 主席研究員/名古屋大学 大学院工学研究科 准教授 中村 晋一郎) - おわりに-「水みんフラ」の未来と人材
提言全文
水みんフラ-水を軸とした社会共通基盤の新戦略-(PDF:7.6MB)